『トリコロール 赤の愛』クシシュトフ・キェシロフスキ(1994)

フランス映画

 

映画のあらすじ

映画は電話から始まる。

ジュネーブから誰かが電話をかけている。電話線の映像がすごいスピードで続く。ドーバー海峡を渡ってイギリスへと通じる。

ヴァランティーヌはジュネーブでモデルをやりながら大学生をしている。

恋人からは毎日電話がかかってくるが、いつも浮気を疑われている。

ある日、ヴァランティーヌが車を運転している時に犬をひいいてしまう。慌てて助けて、首輪に書いてある住所に犬を車に乗せていく。犬を病院に連れていくかと聞くとどうでも好きにすれば良いとその飼い主は答える。ヴァランティーヌは犬を獣医に見てもらいにいく。すると妊娠していることがわかる。後日家に現金書留が届く。多いので返しにいく。飼い主はが出てこないので中に行くと近所の電話を盗聴しているのを知る。そして飼い主は元判事であった。

隣の家の父親が男と不倫をしているのを盗聴しているのを知りショックを受けたヴァランティーヌ はそのことを教えに隣の家に行くが娘と妻を見てそのことを言えずに帰ってくる。ヴァランティーヌは元判事のことを哀れだという。

犬と公園で訓練していると、逃げ出してしまう。またヴァランティーヌは元判事の家にいく。犬は元判事の家に戻っていた。なぜ判事が盗聴をしているのかを聞くと判事は若い頃あった失恋体験とそれに伴う裁判をしたことで公開をしていることを告白する。そしてヴァランティーヌが帰ると自分が近所の家の盗聴をしていることを自首する手紙を書く。そして裁判をうける。元判事の裁判にはオーギュストの恋人も来ており見知らぬ男に口説かれていた。

一方オーギュストは判事の司法試験に合格した。お祝いに恋人から万年筆をもらう。からはそれを喜び最初の裁判で使うことを約束する。

しかしその後恋人が電話に出なくなり不審に思う。恋人の家に行き窓から覗くと知らない男とベッドにいるところを目撃してしまう。

ヴァランティーヌはモデルの写真撮影で撮った写真を街頭広告で使うこととなる。カメラマンから口説かれるが、それを断る。

ヴァランティーヌはファッションショーのチケットを元判事に送る。ファッションショー後ヴァランティーヌ と元判事は穏やかに話をする。前回の告白の続きをしなぜ心を閉ざしてしまっていたかを語る。

ヴァランティーヌは週末にイギリスに行くという。元判事が天気予報に電話すると(彼女はオーギュストの元恋人だが)週末ヨットでドーバー海峡へ行くという。そして天気を聞くと快晴だという。

週末になると嵐が来てフェリーが沈んでしまう。慌ててテレビをつけるとニュースでやっている。そこには飼い犬を抱えたオーギュストとヴァランティーヌも助かって写っていた。ヨットは沈んでしまった。

映画の感想

ストーリーやテーマについて

トリコロール三部作の最後はテーマは「博愛」だ。

ちなみに三部作『青の愛』は自由につて、『白の愛』は平等についてを手間にしている。

ヴァランティーヌは轢いてしまった犬を助ける。また元判事が盗聴していることを哀れだと非難し、盗聴されてる人に言おうともする。しかし一方で不倫の盗聴をその家族には言えなかった。弟が麻薬で捕まったことを新聞で知るが、母親にはそのことを言わない。彼女行動や考えは博愛によって行われている。そしてそのことによって心を閉ざしていた元判事の心を開いていくこととなる。

演出や脚本について

赤の愛という通り全体的に赤を多く配色している。

特に印象的なのはヴァランティーヌの街頭広告の写真だ。赤い背景の前で力強そうな一方不安そうな顔で左側を見ているのは何を表しているのだろう。

キャラクター&キャストについて

この作品は監督のクシシュトフ・キェシロフスキの遺作となる。

大学生役のイレーヌ・ジャコブは演技が見事でした。浮気を疑う恋人とのやりとりや元判事の老人とのやり取りの中で変化を起こし自分自身も変化していく。モデル八雲様になっていて、後半のファッションショーも見どころだ。

元判事役のジャン=ルイ・トランティニャンは最初はひねくれ心を閉ざしていたが、ヴァランティーヌのおかげで心を開いて最後は別人のようになっている演技もとても良い。

まとめ

私はトリコロール三部作の中ではこの『赤の愛』が一番好きです。

皆さんは何色の愛が好きでしょうか?

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